日本遺産 村上海賊

“日本最大の海賊” の本拠地:芸予諸島
-よみがえる村上海賊
“Murakami KAIZOKU”の記憶-

5. 信仰

海の安全を守りぬく日々は、
大いなる天の力に守られていた。

神の島と呼ばれる大三島に鎮座する大山祇神社は、その歴史は古代にさかのぼり、日本総鎮守、伊予国の一宮とされ、武功や海上交通の安全を守る神として海賊たちの信仰を集めた。 このような由緒のある神社で、村上海賊の武将たちは自らの思いを詠み連ね、それを奉納することで武運を祈願したのである。

見どころ

別宮大山祇神社拝殿

大山祇神社の別宮として来島村上氏が修築した、
格調高い切妻造、檜皮葺の拝殿。
大山積神を祭神とするこの神社は、歴史の渦に巻き込まれながらも
拝殿だけが焼失を免れた。

大山祇神社の文化財

村上海賊は、御神木の大楠がそびえる大山祇神社を氏神として崇め
武運や海上交通の安全を祈った。
宝物館には、名高い武将らが奉納した武器・武具の銘品が収蔵されている。

大濱八幡大神社

来島城の城下町として史料に登場する、大濱地区に鎮座する神社。
1524年に同社が造営されたことを記した棟札には、「在来島城村上五郎四郎」と書かれており、村上氏が来島城を居城としていたことを物語っている。

光林寺文書

能島村上氏の全盛期を統率した当主、村上武吉が光林寺に灯篭を
寄進したことを示す古文書。
日本最大の海賊として名を馳せた、武吉の生年が記された
貴重な史料とされている。

白滝山(五百羅漢像)

因島村上氏が青木城を築いたとき、白滝山を控えの要害として
観音堂を建立した。
江戸時代には、柏原伝六と弟子によって700体ほどの石仏が造られ、
五百羅漢として信仰されている。

地蔵鼻(鼻の地蔵)、
美可崎城跡

美可崎城は因島の岬に築かれた海の関所であり、船隠しの入江などが今も残る。
その城の武将と船で通りかかった娘との伝説を刻む石仏が、
鼻の地蔵として語り継がれている。

光明寺の浪分観音

千光寺山のふもとにある光明寺に、村上海賊の武将、
島居資長が寄進した観音像。
海難を防ぐ浪分観音という異名で、海とともに暮らす人々の信仰を集めている。